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物語近現代ギリシャの歴史(村田奈々子/中公新書)
 
 とにかく最近のユーロ危機などで注目の国家。

 その焦点は何かというのが本題なわけですが、最も重要と思われるのが、「ギリシャ」という漠然としたイメージを巡る内外のギャップ。

 日本人を含め、どうしても外部の人間は「栄光の古代ギリシャ」のイメージを重ねてしまうわけですが、実際の現地は必ずしもそうではない。

 そしてそのイメージを時に利用し、時に反発するのを繰り返してきたのが現地と言うわけで、それを抜きに今日の危機もまた語れないというか。
author:jinhosio, category:研究, 23:13
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院政 もうひとつの天皇制 (美川圭/中公新書)
 
 刊行は随分前ですが、来年の大河ドラマ『平清盛』に絡んでお勧めしたいのが本書。

 人間関係の錯綜が分かり難い面もありますが、これは最近刊行の『平清盛』ノベライズと平行して見ると分かりやすい感じというか。

 いわば「院政」というメカニズムの解明と共に、それを生み出した当時の政治情勢の分析が面白く、なかでも「藤原外戚政治の没落」について、それがむしろ全盛期だったはずの「道長時代の後遺症」に始まっているというのが何とも。
author:jinhosio, category:研究, 14:34
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ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争 上 (著書・ディヴィッド・ハルバースタム/翻訳・山田 耕介・山田 侑平/文藝春秋)
 
 以前から大きく紹介され、大いに気になっていながら、なかなか手に入れるまでの気になれなかった一冊ながら、先だっての「開戦六十年」を機に、遂に購入。

 もちろん戦争の様々な側面にも言及されているが、内容的に言えば、いかにもアメリカ人の作として、戦争の根底の一つとしての、「トルーマン・マッカーサー抗争」に最大のウェイトが置かれている。

 特に当時のアメリカ内部の政局や国内世論のジレンマと混乱が、彼ら双方の権力をはじめ、如何に大きな影響を与えたのか分析は実に巨大。

 それが実際の戦争指導に巨大な影を投げかけたかであり、敢えて冒頭部にマッカーサーの楽観とワシントンの放置によってもたらされたともいえる「中国軍参戦」を持ってくるところにも現れているというべきか。
author:jinhosio, category:研究, 10:36
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ヨーロッパ分断1943―大国の思惑、小国の構想  (広瀬佳一 中公新書)

 今は絶版状態になっている、中公新書の名著。

 刊行されたのはもう十五年以上も前であるも、自分が最も読み返している書籍の一つ。

 (当然に汚れも痛みも相当に酷いが、古本屋でも見掛けられないために、今でも慎重に重宝状態。)


 それはともかくとして、自分的にまず注目したのは、それまで読んでいた本では全く見掛けられなかった、第二次世界大戦中における「中欧国家連合構想」という歴史的事実。

 その中でも特に中核に位置付けられていた、ポーランドとチェコスロバキアの二国関係を重視するという構図であり、それが如何に進展し、また破綻していったのかを、大戦の動静、大国間の思惑ならびに小国間の対立も絡めて描いている。


 なかでも特に興味深かったのが大戦の発火点ともなったポーランド。

 当時の亡命政府首相にして、最近の大統領と同じ非業の飛行機事故死を遂げた、シコルスキの現実主義を評価しつつ、あくまでポーランドのヘゲモニー下の「連邦」を目指した広範なロマン主義層の存在をも描き、その結果、大国だけでなく小国からも反発され、遂には孤立状態のまま悲劇の「ワルシャワ蜂起」にまで至るプロセスも追っている。


 ちなみに「ポーランドが小国というには議論があるだろうが」とは序文の一節。

 一見するに本文とは直接関係が無いような置かれ方であるが、誇り高き国民の意識と共に、意外とこれこそがこの本の最大の本質ではないのかとも思えてくるというわけで、肯定否定を問わず、ますますもってその歴史に興味を引かれざるを得ないと。

author:jinhosio, category:研究, 11:10
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ポーランド電撃戦 (山崎雅弘 学研M文庫)

 アンジェイ・ワイダ監督の映画『地下水道』を見て以来、とにかくポーランドに興味を持っていた自分としてはまさに待望の一冊。

 本作のポイントは、単に第二次世界大戦直前からでなく、それ以前からのポーランドの前史を加えることによって、開戦直前におけるポーランドの上下官民の感情や感覚をも説明しようという部分がポイント。


 あと今までの開戦直前を扱った文献においては見られなかった視点として、イギリスがオランダ・ベルギーの低地諸国に対するドイツの攻撃を深刻に懸念していたという部分を詳細に説明であり、むしろポーランドがそれに協力する可能性の方を真剣に考えていたところと。

 それと開戦前にポーランドに与えていた「保障」との関連を細かく描き、当時における関係諸国の思惑とズレぶりを今までの文献以上に詳細に分析している。


 特に自分的に関心があったのは、ミュンヘン協定のドサクサに乗じてポーランドがチェコからザオルシュ地方を奪取するくだり。

 そしてその次には自分の番が回ってきたというわけで、本作からは外れますが、この行為のツケが後の大戦中における中欧国家連合構想において重要な意味を持ってくるというのも面白いところで。 


 その意味では後の「ワルシャワ蜂起」も含めた、その辺りの動きに関するフォロー本も見たいところで、今後の刊行にもとにかく注目と。
author:jinhosio, category:研究, 11:01
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