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まんがグリム童話 金瓶梅 (竹崎真実 ぶんか社)
  「説教ならたくさん! どうせ地獄に落ちるのよ! なら自分の好きにやらさせてもらうわ!」(潘金蓮)

 ハーレム物と言ったら絶対に欠かせない、原作は中国四大奇書の一つにして、あの『水滸伝』からのスピンオフ作品。

 掲載誌の関係もあって、一般に「レディコミ版」とも称されており、ストーリーは基本を踏襲しながら、キャラ的には相当独自な物にアレンジされている。

 特に主役の潘金蓮のキャラが秀逸で、『水滸伝』以来の「邪魔者に容赦しない」「夫殺しの毒婦」という基本線は維持しつつも、同時に極めて衝動的なまでの「情に熱い」一面も持つ、実に強烈にしてパワフルなまでの人間像を与えられている。

 (そのためかむしろ殺された亭主の武大の方が、「弟の武松に言いつけてやる」的な情けない感じの人物になっており、怨霊になっても見せ付けで撃退されるなど、ある意味「駄目だこりゃ」的な感じともなっている。)

 ちなみに原作の主役である西門慶の場合、女にはだらしないが商売には恐ろしく長ける人物であったはずの、原作とは違い、女遊び以外は全く駄目の人物となっており、それだけに金蓮はじめ、正妻の呉月娘、そして本作では有能なイケメン番頭である陳経済らが上手くサポートする集団ドラマが上手く構築機能している。

 またそうした慶の父である西門伯をはじめ、オリジナルのキャラたちも上手い具合に取り混ざっており、全体を上手く盛り上げているのも見逃せない。

 (特に「参謀」「マネージャー」の重要性と限界を同時に現すかのような、瓶児の侍女、フウの設定とか。)

 本編の連続スト−リーだけでなく、短編の日常話にも秀作が多く、現代の教育問題も意識したかのような、「子供の屠殺ごっこ」の話など、その辺りの風刺ぶりもまた必見と。
author:jinhosio, category:漫画, 08:17
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花巡礼 (河惣益巳 白泉社)
  『ツーリング・エクスプレス』や『ジェニー・シリーズ』で名高い、河惣益巳先生の大河歴史作品の一つ。

 後のヴィクトリア女王と並び「ヨーロッパの祖母」と称された一代の女傑、アリエノール・ダキテーヌの生涯を縦軸に、彼女と深い関わりを持った、母娘三代を主人公とした三部編成。

 
 冒頭における「あれがパリ!? なんて小さな城なの!? 貧弱な町なの!?」に象徴されるように、まだフランスの王権が弱体であった時代を皮切りに、初期の「十字軍」と「百年戦争」を舞台にした物語を展開。

 ジャンルを問わず、この時代を舞台にした作品その物が少ないだけに、この作品で「中世ヨーロッパ」を初めて理解できた部分も多い。


 なかでも個人的に興味深かったのが、後に「尊厳王」と言われるフィリップ2世で、第二部から第三部に掛けての、彼の母娘二代に向けての愛情の物語はなかなか。

 第一部でアリエノールと別れた、父ルイ7世の悲痛や無念の物語と合わせれば、それは一層に際立つ。

 
 それだけに第三部ラストでの息子ルイ8世の結婚式の場面が感動を呼ぶわけで、正直これを最初に読んだ時には思わず涙が出てしまった次第と。
author:jinhosio, category:漫画, 08:10
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