RSS | ATOM | SEARCH
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author:スポンサードリンク, category:-,
-, -, - -
戦争を始めるのは誰か 歴史修正主義の真実  (渡辺惣樹/文春新書)

 

 久しぶりに読みふけった歴史考察の一冊。

 

 基本的に従来の「ナチス絶対悪論」を排し、それ以外の国々(特にアメリカ)の戦争責任を追及しようとするのが眼目らしい。

 

 ただしそれを重視する余り、ナチス(とドイツ国民)の応分の責任をも排そうとする側面もあって、全面肯定には躊躇せざるをえない面もある。

 

 特に直接ではないが、むしろ「ナチスをそのまま東方に進ませてソ連にぶつけるべきだった」「そうなれば西側は安泰だった」ととられかねないニュアンスもあり、その犠牲になる東欧国民についての配慮も伺えない。

 

 (ポーランドやチェコについては「強欲な小国」として、むしろ悪意す感じられる。)

 

 なかでも気になるのがイギリスについての分析。

 

 イギリスの支配層がベルサイユ条約の過酷さを修正しようとした事を割かし肯定的に描いているが、前大戦末期に国民を扇動して妥協を難しくさせ、かつ講和を引き延ばした事についての記述もいささか甘い。

 

 特に一番肝心なのはベルサイユ条約の過酷さを反省しつつも、その改定を自ら行わず、いわば「なし崩し」に行おうとした点であり、その辺りについての記述も甘い。

 

 またチェコ崩壊後のチェンバレンの対ポーランド保障についても触れているが、これについても当時動揺していた海外植民地に対する威信問題についての要素も欠けており、チェンバレン個人に責任を押し付け気味になっているのもいささか引っ掛かる物がある。

author:jinhosio, category:研究, 16:04
comments(0), trackbacks(0), - -
カイザーの世界政策と第一次世界大戦 (義井 博/清水新書)
  中公新書で「ビスマルク」が出た事で、合わせてお勧めしたい新書の一つ。

 ここで言う「カイザー」とは「ヴィルへルム二世」の事ですが、彼の生涯を重ねる事で「ビスマルク体制」の崩壊と、ドイツに不利な状況での「第一次世界大戦」への突入も良く分かる感じで。
author:jinhosio, category:研究, 14:10
comments(0), trackbacks(0), - -
第二次世界大戦前夜―ヨーロッパ1939年 (笹本 駿二/岩波新書)
 以前住んでいた土地の図書館で愛用していた本の一つ。  「ミュンヘン協定」から「独ソ不可侵条約」に至る、怒涛の外交時期を舞台にした作品で、なかでも「英仏ソ三国交渉」を描いた部分が重要。  特にミュンヘンと同様、重要な役割を果たしたのがチェンバレンで、自分が「対ソ不信」に固まっているが故に、ヒトラーもそうだと思い込んでいたらしいというのが、交渉の破綻の原因となったという分析が興味深い。
author:jinhosio, category:研究, 20:28
comments(0), trackbacks(0), - -
偽りの同盟―チャーチルとスターリンの間 (秋野 豊/勁草書房)

 まだアメリカが参戦する前の、独ソ戦初期の英ソ関係を描いた力作。

 当時一般的な見方だったとされる「ソ連崩壊」を前提にしての、イギリス側の各種の思惑ぶりがポイントであり、特にバクー油田の破壊を目論んだとされる「コーカサス派遣軍」に関する推移が面白い。

 そしてそれを察知しつつ、巧みに「試し」に掛けるソ連側の狡猾ぶりも。
author:jinhosio, category:研究, 21:45
comments(0), trackbacks(0), - -
第二次世界大戦 ヒトラーの戦い (児島 襄/文春文庫)
 
 これも自分の長い愛読書。

 見所は非常に多いですが、特に印象的だったのが「大戦直前のポーランド」、そして終盤が「モントゴメリー解任問題」で。
author:jinhosio, category:研究, 21:26
comments(0), trackbacks(0), - -
黄金太閤−夢を演じた天下びと(山室恭子/中公新書)
 これも古くからの愛読書。

 秀吉の政権が一種のイメージ戦略に大きく依存していた物だという分析を主眼にした物で、その盛衰を鋭く分析。

 中でも最大の白眉は「朝鮮出兵」と「伏見地震」。

 特に後者の影響の大きさについては必見と。
author:jinhosio, category:研究, 13:36
comments(0), trackbacks(0), - -
「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち (渡邉義浩/講談社選書メチエ)
 
 かねてからPHP文庫などで、一連の三国志研究を示していた、渡邉義浩氏の決定版。

 いわば「権威の空白期」に独自に発展した「名士」への言及が主であり、中国社会への分析とも重なっているのが興味深い。
author:jinhosio, category:研究, 11:08
comments(0), trackbacks(0), - -
国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ  (細谷雄一/中公新書)
 
 最近のヒット文献。

 現在注目のEU問題など、とにかく優れた国際関係論ですが、特に「勢力均衡」に触れた部分が注目。

 特にメッテルニヒとビスマルクに関する部分が必見ですが、その意味について惜しいのが、現在の主権国家社会の原点といえる「ウェストファリア条約」に触れた部分がほとんど無いこと。

 まさに近代の始まりとすら言える、この条約と会議についての詳細な文献もいつか読みたいというか。
author:jinhosio, category:研究, 13:46
comments(0), trackbacks(0), - -
日中国交正常化 - 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦 (服部龍二/中公新書)


 現在様々に揺れる日中関係の原点を描いた作品。

 アメリカや台湾の存在をも含め、その多元的な視点が魅力。

 なかでも屈指なのが田中角栄・大平正芳と毛沢東・周恩来の二つのコンビの対比ぶり。

 まさに立体的とはこの事と。

author:jinhosio, category:研究, 23:21
comments(0), trackbacks(0), - -
チャーチルの亡霊 危機のEU(前田洋平/文春新書)
 
 現在問題のユーロ不参加など、EUの中でも相当に特異な位置を占め続けるイギリス。

 そのイギリスのヨーロッパとの関わりの姿勢を、チャーチルに代表させ、当時のヨーロッパ統合運動の中心人物である、グーデンホーフとの関係の中で描く。

 ただし一番痛快なのは、彼らが水面下の攻防を繰り返す中で、彼らにとって見れば小物に過ぎないはずの、シューマンによって現在のEUの最初の基礎が築かれるという点。

 その意味においては、EFTA結成やEC加盟、そしてユーロ不参加といった、その後のイギリスの大陸との関係の一連の過程も見たいわけで、この続編的な作品もいつか期待と。

author:jinhosio, category:研究, 16:16
comments(0), trackbacks(0), - -